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Channel: 別れ –万葉歌僻読
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父母が 頭かき撫で

父母が 頭(カシラ)かき撫で 幸(サ)くあれて 言ひし言葉(ケトバ)ぜ 忘れかねつる 父母が別れ際に私の頭をかき撫でて無事でいろよと言って下さった言葉をどうにも忘れることが出来ない 右一首丈部稲麻呂 万葉集巻二十・4346 ・・・幸(サ)くあれて・・・「幸(サキ)くあれと」の東国訛り。無事でいろよの意。 ・・・言ひし言葉(ケトバ)ぜ・・・「言ひし言葉(コトバ)ぞ」の東国訛り。 <考>...

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泣きし心を 忘らえぬかも

我が母の 袖持ち撫でて 我がからに 泣きし心を 忘らえぬかも 私のお母様が私の衣の袖を手に取り、撫でながら私のことを思い泣いて下さったその有り難いお心を忘れることが出来ない。 右一首山邊郡上丁物部乎刀良 万葉集巻二十・4356 ・・・我がからに・・・「~からに」とは「~が原因で」の意味。ここは、私のために・・・の意。 <考>...

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百代いでませ 我が来たるまで

父母が 殿の後方(シリヘ)の 百代(モモヨ)草 百代いでませ 我が来たるまで お父さん、お母さんのお屋敷のその背後に生えたももよ草のように、百代も長生きして下さい。私が無事戻るまで。 生玉部足國・万葉集巻二十・4326...

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防人に 立たむ騒きに

防人(サキムリ)に 立たむ騒きに家の妹(イム)が 為るべきことを 言はず来ぬかも 防人出立の際の騒ぎにまぎれて、残された妻にこれからしなければならないいろんなことを言わないでやってきてしまった。 若舎人部廣足万葉集巻二十・4364 ・・・防人(サキムリ)・・・「サキムリ」は「サキモリ」の東国訛り。...

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韓衣 裾に取り付き 泣く子らを

韓衣(カラコロム) 裾に取り付き 泣く子らを 置きてぞ来のや 母(オモ)なしにして 韓衣の裾にすがりついて「行くな」と泣いていた子ども達を置き去りにしてしまった。あの子達には母親も居ないというのに・・・・ 他田舎人大嶋・万葉集巻二十・4401...

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我が妻も 絵に書きとらむ いつまもが

我が妻も  絵に書きとらむ いつまもが 旅行く我は 見つつ偲はむ 私の愛しい妻を絵に書き取る暇が欲しいものだ。そうしたならば、旅の途中でも妻を偲び偲びいけるであろうから。 物部古麻呂・万葉集巻二十・4327 ・・・いつま・・・「いとま」の訛り。 <考>...

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影さへ見えて よに忘られず

我が妻は いたく恋ひらし 飲む水に 影(カゴ)さへ見えて よに忘られず うちの妻はひどく私を恋い慕っているらしい。飲む水の上にまでその姿がうつってみえて、片時も忘れることが出来ない。 若倭部身麻呂・万葉集巻二十・4322 ・・・恋ひらし・・・「恋ふらし」の東国訛り。「らし」は一定の根拠があっての推量。続く「影さへみえて」がその根拠となる。...

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三輪山を しかも隠すか

額田王下近江國時作歌 味酒(ウマサケ) 三輪の山 あをによし 奈良の山の 山の際(マ)に い隠るまで 道の隈(クマ) い積もるまでに つばらにも 見つつ行かむを しばしばも 見放けむ山を 心なく 雲の 隠さふべしや 反歌 三輪山を しかも隠すか 雲だにも 心あらなも 隠さふべしや...

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飛ぶ鳥の 明日香の里を

和銅三年庚戌春二月従藤原宮遷于寧樂宮時御輿停長屋原廻望古郷作歌一書云 太上天皇御製 飛ぶ鳥の明日香の里を置きて去なば君があたりは見えずかもあらむ一云 君があたりを見ずてかもあらむ (飛ぶ鳥の)明日香の里を残し置いていったら、あなたのいらっしゃるあのあたりは見えなくなってしまうのでしょうか・・・ 元明天皇・万葉集一・78...

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いよよますます悲しかりけり

大宰帥大伴卿報凶問歌一首 禍故重疊 凶問累集 永懐崩心之悲 獨流断腸之泣 但依兩君大助傾命纔継耳 筆不盡言 古今所歎 世間(ヨノナカ)は 空しきものと知る時し いよよますます悲しかりけり この世の中が儚く空しいものであるということを思い知った今、さらにいっそう深い悲しみがこみあげてくるものです。 神龜五年六月二十三日 大伴旅人・万葉集巻五・793...

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愛しき佐保山

悲緒ひしょ、いまだ止まざるにさらに作る歌五首(のうちの一首) 昔こそ よそにも見しか 我妹子わぎもこが 奥おくつ城きと思へば 愛はしき佐保山さほやま 以前こそ自分には無関係なものとしてみていたが、我が妻の墓所と思えば何とい とおしいことか、佐保山は・・・ 大伴家持・万葉集巻三・474...

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